バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

会津宮泉を唎く

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宮泉の名前を聞いてピンとこない人も多いかと思いますが、「写楽」のブランドで人気を誇る宮泉銘醸の蔵元で販売されているブランド名です。宮泉銘醸は、金賞受賞銘柄が日本一の福島県を代表する酒蔵です。 

 今年3月上旬と5月上旬に福島県会津若松市の蔵元である宮泉銘醸を訪ね、「会津宮泉」を購入してきました。この蔵は会津を代表する観光名所にもなっている鶴ヶ城から歩いていける距離にあり、以前は、酒蔵見学等も行っていたようですが、現在はショップのみしか入れず、見学はできません。すぐ近くには末廣酒造がありますが、こちらは、一般のお客様向けに酒蔵見学を行っています。

宮泉銘醸は、「会津宮泉」と「写楽」と2つのブランドの日本酒と「玄武」というブランドの焼酎を造っています。

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宮泉醸造商品ブランド(同社HPより引用)

会津宮泉」は蔵元直販ブランド、「写楽」外販ブランドだったようですが、最近は、「会津宮泉」は県外にも出ているようで、インターネット通販でも購入ができます。「写楽」は外販向けと言えども、飲食店向けが殆どで、一般の人が購入できる販売店はごく限られています。これらの販売店も常に必ず入手できるとは限りません。会津若松市内でも販売店はあり、定期的に売り出されるようですが、地元に住んでいる知人(実は、小学校、中学校時代を会津若松で過ごしており、今でも同窓生が住んでいます)によると「写楽」と「飛露喜」は、発売日当日に並ぶそうです。地元よりもインターネット通販を含め県外の方が逆に入手しやすいかも知れません。

会津宮泉」と「写楽」ですが、単純に蔵元直販、外販用という違いだけでなく、使用している酒米等に違いがあるようです。どちらかというと「会津宮泉」は地元福島の「夢の香」や少しローカルな酒米を使用する傾向にあり、「写楽」は、山田錦をはじめとするメジャーな酒米を使用する傾向にあるようです(「会津宮泉」の山田錦版もあり一概には言えませんが)。酵母や造りの違いについては、聞き出せませんでした。

まず3月上旬に購入したこの時期ならではの生酒2種です。1つは「会津宮泉 純米酒(無濾過生)」と「会津宮泉山 酒四号おりがらみ」です。山酒四号という酒米は、知りませんでしたが、山形県の高校で1983年に「金紋錦」と「山田錦」の交配から生まれた酒造好適米のようです。気のせいか「山田錦」の力強さを兼ね備えているように感じます。

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どちらもファーストアタックは華やかな果実香で、熟したリンゴ、生酒特有のピーチ、あとバナナの香りです。バナナの香りは、主に酵母によって生成される「酢酸イソアミル」という物質に起因するものです。山酒四号のほうは、さらに熟したメロンの香りが強く出ています。おりがらみということもあり、微発泡していますが、非常にコクのある味わいです。宮泉の純米生酒も十分にフルーティなのですが、それに輪を掛けて芳醇さを感じさせるのが山酒四号おりがらみです。どちらもフルーツや華やかな白い花の香り共にミネラルを感じさせる素晴らしい味わいです。

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スイスのナチュラルチーズ「レティヴァ」とフランスの熟成が少し進んだ羊乳チーズ「オッソ―イラティ」(写真奥のチーズです)と合わせました。濃厚な風味ですが、決してそれに負けることの芳醇さを備えていました。

実は、これ以外に吉川町産山田錦の生酒も購入しており、そちらは飲み会に持ち込み飲みましたが、酔っていた為、残念ながらコメントできるような記憶が殆どありません。

次に火入れの純米吟醸純米大吟醸 です。

・「宮泉」純米吟醸 精米歩合50%

・「宮泉」山田穂 純米吟醸 精米歩合50% 

・「宮泉」夢の香 純米大吟醸 精米歩合40%

 いずれも720mlですが、純米大吟醸が、4,320円、純米吟醸は2,000円前後だったと思います。

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左から純米吟醸純米吟醸山田穂、純米大吟醸夢の香四十

まず、酒米表記のない純米吟醸です。

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純米酒とならんで同蔵の定番商品でしょうか?まず、メロン、バナナ、黄色いリンゴ、カリン等のフルーツと白い花の香り。アタックにも華やかな果実感と上品な酸味感じます。なお、蔵で酒米を聞いたところ、夢の香と五百万のブレンドとのこと。ちなみに純米酒の方は、夢の香だそうです。五百万石の持つ淡麗辛口のイメージはあまり感じません。

次に山田穂です。

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山田穂は、山田錦の母系の酒米になります。宮泉は父系の酒米である短稈渡船100%の純米吟醸も出しているようですが、この日はありませんでした。

まず感じられるのがグレープフルーツ等の柑橘系の果実香です。蔵の商品説明にもグレープフルーツの香りとありましたが、酸と少しの苦み含め確かにこの果実がピッタリかと思います。前回飲んだ宮泉を含め、あまり前面には出てこなかった香りです。最も前回は生酒ですので、桃や熟したメロンの香りが主体になります。フルーティな純米吟醸と言えども、僅かに炊いた米の上品な米の香りが日本酒であることを実感させてくれます。

さて最後に夢の香の純米大吟醸です。

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特に夢の香が主体の純米吟醸と飲み比べてみました。果実系の香りの特徴のやファーストアタックのインパクトは、純米吟醸の方がやや強いと思います。何日かに渡り両方を味わってみました。その結果ですが、夢の香四十の特徴を一言で言えば、滑らかさです。最初の香りから、ファーストアタック、のど越し、アフターまで尖ったところがなく風味がスムーズかつ上品に繋がって感じられます。もちろん淡麗というわけでもなく、米の旨味を感じさせるふくよかさもきちんと兼ね備えています。純米吟醸の方は、上述のようによりインパクトのある香りとファーストアタックですが、アフターには少し苦みを感じます。スムーズさや滑らかさ、終始上品な風味という点で、夢の香四十に軍配があがると感じました。

 チーズとの相性です。

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左手前:カマンベール パストゥリゼ(殺菌乳)、右手前:ランゲリーノ、左奥:ボーフォール・エテ、右奥:コルビージャック

この中で純米吟醸に最も合ったのが、ランゲリーノです。イタリアの牛・羊乳混合のクリーミーな白カビチーズです。バターっぽい濃厚さもありますが、癖はなくマイルドです。チーズが主張しすぎることもなく、純米吟醸とよく合います。次にコルビー・ジャック。やや濃厚ではありますが、こちらも癖のある香りではなく、相性は悪くないです。カマンベール パストゥリゼはレ・ラスティーク社のものですが、このチーズは殺菌乳でありながら、熟成が進んでおり、無殺菌乳のカマンベールに近い強い風味があります。繊細な純米吟醸の方が、やや負けてしまいます。さらにボーフォールについては、山のチーズ特有の強い香りと濃厚な旨味があり、吟醸酒に合わせるのは、正直厳しいです。癖のある2つのチーズは、濃いめの白ワインか軽・中口の赤ワイン、日本酒であれば、古酒(熟成酒)か塩味がシャープであることから甘口の貴醸酒でしょうか?

以上、4月と5月に飲んだ宮泉の感想ですが、いずれもブレずに、香り高い魅力的なお酒です。生酒や滓がらみは、果実感・濃厚な甘旨味を楽しめます。季節商品ですが、ぜひまた飲んでみたいと思います。今回は蔵元で直接購入した商品であるため、写楽は含まれていません。写楽備前雄町や赤磐雄町は、中々入手できませんが、素晴らしいお酒です。機会があれば宮泉とじっくりと比較してみたいと思います。

(終)

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