バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

ブルゴーニュの旅~シャンボールミュジニー編

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8/30~9/8の10日間でフランスのシャンパーニュ地方とブルゴーニュ地方をレンタカーで旅行しました。コート・ド・ニュイ地方のほぼ真ん中に位置するジャンボール・ミュジニーは華やかで優美な女性的なワインを産出する銘醸地として知られています。

シャンボール・ミュジニーは、ディジョンを南下すること訳20km、北をモレ・サンドニ村、南をヴージョ村に挟まれた、僅か人口300人程度の小さな村です。ミュジニーやボンヌ・マール、レ・ザムールといった名だたる特級畑・1級畑が存在しており、名だたる生産者から華やかで香り高い優美な赤ワインが生み出されています。

 

2015年8月に初めてブルゴーニュを訪れましたが、車で駆け足に通り過ぎた程度で、この村を十分に楽しむことができませんでした。今回は、コート・ドールに5泊、かつ自由度の高い車での移動ということで、村に立ち寄り、街中や畑を散策する機会にも恵まれました。素晴らしいレストランにも出会い、思いがけないワインと美味しい食事を愉しむことができました。

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フランスのどの村でもそうであるように、村の中心には、教会があります。

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▼外観はシンプルで、内部は、こじんまりしていますが、美しいステンドラスと彫刻像を目にすることができます。

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▼この村には、大きな広場がある訳ではなく、派手な建物もありませんが、所々、花々や緑で飾られており、質素ながら優雅な村という印象を受けます。

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今回、ここシャンボール・ミュジニーで特に印象に残ったのは、昼食で寄ったレストランです。今回、ガイドして頂いたレ・グルマンディーズの川﨑さんのお奨めです。彼のお奨めレストランの基準は、食事はもちろんのこと、魅力的なワインがリーズナブルな価格で揃っているかどうかとのことのようです。

村のほぼ中心部にある「Le Millésime」というレストランです。

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ランチメニューは1種類だけですが、フルコースで19€という安さです。このランチのコストパフォーマンスもさることながら注目すべきはワインの品揃えと値段です。

▼店に入るとまず、目につくのが巨大なワインセラーです。

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中には、DRCをはじめ、地元のコント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエやフレデリック・ミュニュレのワインが並んでいます。
▼分厚いワインリストを眺めていると、意外なワインが目に留まりました。

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日本では、インターネット・ショップ等で瞬売していた2015年のエマニュエル・ルジェのコート・ド・ニュイ・ビレッジです。村名格ながら、日本での価格は2万円を超えています。

ここに最初に訪れたのは、コート・ドール2日目の昼食ですが、もう一度ルジェを飲みたくて、その3日後のランチもここでとりました。
ちなみに2度目は、同じ2015年のニュイ・サン・ジョルジュをオーダーしました。こちらの価格は、110€(約1万3千円)でした。ちなみに、村名のヴォーヌ・ロマネは、130€、ヴォーヌ・ロマネ1erCruのクロ・パラントゥーが900€でした。クロ・パラントゥは、日本では、40万円前後で販売されていることを考えるとかなり格安です。
買って持ち帰りたい衝動にかられましたが、当然ながら、売ってはくれません。

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コート・ド・ニュイ・ヴィレッジとニュイ・サン・ジョルジュですが、どちらも輝きのある濃いめのルビーで、ストロベリー、フランボワーズ、アメリカンチェリー、酸度はやや低く、タンニンは甘く溶け込んでいます。果実味と複雑性の点で僅かにニュイ・サン・ジョルジュが勝りますが、いずれも、好み的にはド真ん中の甘露に溢れた素晴らしいワインです。ランチに飲むには勿体ないくらいでした。

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料理は、アミューズに始まり、前菜(ポルチーニ茸と卵の白身だったと思います)、

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▼ホタテのカレーソース煮。別な日のメニューは、大きなスペアリブでしたが、通常はこのような繊細なフレンチのメニューとのこと。

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▼イチジクのデザートです。

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アミューズ、前菜、メイン、デザートの4品で20€を切る価格は、ちょっと信じられません。いつも地元の人と観光客で賑わっているようです。食事もワインもお奨めのレストランです。

   

なお、ここの傍の地下にワインショップがあります。CAVEAU DES MUSIGNYSという名前です。ロブロ・マルシャン等地元のワインを中心においてあり、試飲もできるようです。ここは、2015年にこの地に立ち寄った際にも訪れており、この時はホテルで飲むためのドミニク・ローランを買った記憶があります。特段、珍しいワインがある訳ではありませんが、ボーヌやニュイ・サン・ジョルジュのワインショップに比べると結構安いです(ボーヌのショップ等の高級ワインの価格は日本で買うよりも高いです)

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以降は、ワイン産地としてのシャンボール・ミュジニー村の紹介になります。少しマニアックな内容になりますので、ご興味のある方だけどうぞ。
(青丸の畑が下記説明の畑です)

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シャンボールミュジニー村の土壌は、表土が薄く石灰分が多く含まれており、逆に粘土質が少なく軽いのが特徴です。他のコート・ド・ニュイ地区の畑と比べても際立っています。一般に粘土質が多く含まれる土壌からは、男性的な力強いワインが生まれます。代表的なアペラシオンがジュヴレ・シャンベルタンで、隣のモレ・サンドニもその傾向があります(クロ・ド・ラロッシュやクロ・サン・ドニなど)。シャンボールミュジニーもモレ・サンドニと接するボンヌ・マール等からは比較的力強いワインが生まれます。石灰岩の影響は、特に南側のアペラシオンで出やすく、具体的には、ミュジニーや1級のレ・ザムルーズ等です。このあたりは、目のつまった石灰岩が母岩になっているため、力強さよりも優しさや華やかが全面に出たワインになる傾向があります。マット・クレイマーの「ブルゴーニュワインがわかる本」でも、ミュジニーをその土壌の特徴から「どれにもまさる品格の高さがあり、霊妙といいたいほどの清純なかぐわしさがある」と評しています。

▼ボンヌマールです。中央に白っぽい土壌がむき出しになっている部分が見られますが、これが、まさに石灰岩の土壌を示すものです。f:id:turque1991:20190924003817j:plain

 ▼コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエのボンヌ・マールです。

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 ▼「恋人たち」の名前を持つ1級畑のレ・ザムルーズです。この畑から生まれるワインは、人気が高く、最近は、評価も価格も特級のボンヌ・マールとほぼ同等です。これはヴォギエが所有する畑のようです。右奥の遠くにクロ・ヴージョの城が見えます。

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▼このラインが、ヴォギエの畑(右側・クロ・ヴージョ側)とジョルジュ・ルーミエ(左側)の堺と思われます。

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▼ジョルジュ・ルーミエの畑と思われます。ここのレ・ザムルーズは、特段に入手が難しいワインのひとつです。もちろん価格も凄いですが。

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レ・ザムルーズは、少し高台にある南北に走る道路の上下(上部の畑はごく僅か)にあり、ルーミエやヴォギエの所有畑は、道路沿いから下部に向かう斜面にあります。レ・ザムールズ最大の所有者は、ロベール・グロフィエですが、グロフィエの畑は、かなり下の方に広がっています。レ・ザムルーズは、上から見ると結構複雑な地形であることがわかります。ちなみにその上部は、フレデリック・ミュニュレが所有しています。

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▼ヴォキエのミュジニーです。
以前に1986年を飲んで印象が悪かった(80年代はヴォギエが調子を落としていた時代のようです)のですが、それ以来飲んでいません。最近は高評価とともに価格もかなり上がってしまって、数年前からついに10万円を超えてしまっています。かろうじて2012年を買うことができたので、そのうち、飲んでみたいと思います。

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フレデリック・ミュニュレの所有で有名な1級畑のレ・フュエ です。

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▼同じく1級畑のレ・ラブロットです。オリヴィエ バーンスタインが持っているようですが、2万円を超えています。飲んだことはありません。

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▼シャンボール・ミュジニー村には、多くの有名ドメーヌが居を構えています。

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▼ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエです。

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▼ドメーヌ・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエです。

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▼高評価が定着しているドメーヌ・ユドロ・バイエです。

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▼ドメーヌ・ロブロ・マルシャンです。

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▼最近注目のドメーヌ・アンリ・フェレティグ。

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▼裏手にある村名畑ですが、この左側に1級畑の中でも評価が高いレ・フスロットの畑が広がっています。

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▼今回は、ドメーヌ・ブルソー・ペール エ フィスを訪れました。と言っても、カーヴの見学は無く、試飲のみです。

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ドメーヌ・ブルソーのワインは、日本では、大手のインポーターが扱っていないので、知名度は低いと思います。唯一、埼玉の酒卸の松澤屋さんが少量輸入しています。もともと、先代のオーナーが輸出に全く興味がなかった為のようです。現状は、経営に加わった息子の方針で、徐々に輸出を増やしているようです。

▼松澤屋から購入したドメーヌ・ブルソーのワインです。

https://www.wine-and-cheese.net/entry/2019/07/05/124345

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 ▼写真には写っていませんが、テースティングバー兼ショップは、地元と思われるお客さん対応で忙しそうでした。

 ▼ブルゴーニュAOCからシャンボール・ミュジニーの1級、ヴォーヌロマネ(村名)等をテースティングしましたが、一部抜栓後時間が経っているのか、酸化のニュアンスを感じるものもあり、正直あまり印象に残っていません。上級ワインについては、ビンテージのせいかやや硬さやスパイシー感を感じました。最近、1995年のオールドヴィンテージ等を入手しており、セラーに古いヴィンテージがあることも期待しましたが、残念ながらありませんでした。

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▼日本での小売価格の7割程度のようです。

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以上、9/3と9/6に訪れたシャンボール・ミュジニー村、村にあるレストラン、畑そしてドメーヌについて書きましたが、好きなワインの産地を自ら歩き、憧れのワインの畑を目にしたことで、今後このアペラシオンのワインが以前にも増して楽しめる気がしています。

(終)