最近人気の高いトロ・ボーの[2015]ショレイ・レ・ボーヌです。コート・ド・ボーヌの北部に位置するこのアペラシオンは、軽めの若飲みワインを産出することで知られています。2015年というグッド・ビンテージということで期待を持って味わいました。
ショレイ・レ・ボーヌは、北をラドワ・セリニィ村、アロース・コルトン村、西をサヴィニー・レ・ボーヌ村、そして南をボーヌ村と隣接しています。標高は240m前後と比較的に低く、土質は、泥灰岩が石灰岩より多くを占めています。ボーヌやサヴィニー・レ・ボーヌと異なり1級畑はなく、やや地味なアペラシオンです。
どちらかと言えば、早くから飲める軽めのワインを産出するイメージがあります。
トロ・ボーは、コルトンやコルトン・シャルルマーニュが有名なので本拠地はアロース・コルトンと思い込んでいましたが、実は、ショレイ・レ・ボーヌ村にあります。すなわち、ショレイ・ボーヌは、同ドメーヌのお膝元のワインになります。他に有名なドメーヌは、あまりありませんが、ネゴシアンものでは、ルロワやドミニク・ローランを飲んだことがあります。特に1995年のメゾン・ルロワは印象に残っているワインです。
中程度の濃さのラズベリーレッド。ラズベリー、アメリカンチェリ等酸味を感じる赤系果実の香り。甘草、バニラ、コーヒー、タンニンは丸くなっていますが、ややメリハリに欠けます。アタックに酸を感じ、中域はややボリューム感にかけ、フィニッシュにやや強い酸が口中に残ります。チャーミングな感じのワインですが、2015年によく見られる低い酸度で甘みの感じるタイプではありません。2日にかけて飲みましたが、2日目はさらに酸が目立ちややバランスがとれていない印象です。更なる熟成でどうなるかは分かりませんが、あまり期待は持てないような気もします。
(2.9)
最近、当たりの多いトロ・ボーですが、残念ながら、このワインについては各要素が少しアンバランスな印象でした。ただ、酸が少し落ち着けば、印象も変わるかもしれません。
<了>