ヴォーヌ・ロマネの名門、ドメーヌ・ジャン・グリヴォのヴォーヌ・ロマネ・1erCru・レ・ボーモンです。過去2003年と2009年を飲んでいますが、今回は2度目の2009年ヴィンテージです。
ドメーヌの現当主エティエンヌ・グリヴォ氏は、元詰めを始めドメーヌの名声を築いたジャン・グリヴォ氏の息子になります。夫人は、サヴィニー・レ・ボーヌのドメーヌ・シモン・ビーズの元当主パトリック・ビーズ氏の三女のマリエルで、このマリエル・グリヴォ女史とパトリック氏の妻の千砂さんが、パトリック亡き後のシモン・ビーズを継いでいるという面白い関係です。
ヴォーヌ・ロマネの性格を具現化するエレガントなワインを特徴とすると言われるジャン・グリヴォのワインですが、過去に飲んだボーモンは、いずれも印象的なもので、正に、華やかさを感じるプルミエ・クリュでした。直近飲んだのは、昨年8月のニュイ・サン=ジョルジュの1erCru・プリュリエの2005年でしたが、こちらは」、ややタニックな印象のワインでした。
ドメーヌ・ジャン・グリヴォ ヴォーヌ・ロマネ・1級・レ・ボーモン 2009年
[2009] Donaine Jean Grivot Vosne-Romanee 1erCru Les Baeux Monts
▼フランス語で「美しい丘」と呼ばれる「レ・ボーモン」の畑です。エシェゾーの上部に位置する南東向きの斜面に広がる一級畑です。
レンガ色が少し混ざるラズベリーレッド。ラズベリー、アメリカンチェリー、ブルーベリーの赤黒系果実の華やかな香りに、シナモンやドライハーブ、樽熟由来のバニラ、MLFからの乳酸的な香りに熟成感が重なるわずかに紅茶(ミルクティ)のような複雑な香りが混ざる。伸びやかで綺麗な酸。タンニンは円やかになっているものの、やや苦みを伴って少し引っ掛かる。時間と共に良く熟した果実からの甘露さも出てきて、腐葉土の妖艶なブーケと相まって素晴らしい。2時間ほど経つと、色々な要素のバランスが取れてくるが、あと5年もすれば、さらにタンニンもこなれて、よりエレガントさが際立つセクシーなワインになると想像できます。
(3.8)
▼近所のビストロからテイクアウトの肉盛り合わせと。
3度目ですが、やはり、ここのレ・ボーモンは美味しい。ただ、2003年を別とすると、エレガントながらややタニックさも兼ね備えているようなので、あまり早飲みは向かない印象です。グレートヴィンテージの2015年や2016年は、まだまだ我慢が必要なようです。
<了>