バッカスのささやき

ワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒との出会いと趣味のブルーベリー栽培を中心に日常を綴ります。

ロベール・シュヴィヨン/ニュイ・サン・ジョルジュ1級 トップ3飲み比べ

f:id:turque1991:20191217225455j:plain

ニュイ・サン・ジョルジュ村の名手ドメーヌ・ロベール・シュヴィヨンは、同村に多くの1級畑を所有していますが、その中でもトップ3と呼ばれるレ・サンジョルジュ、レ・カイユ、レ・ヴォ―クランを飲み比べてみました。

コート・ド・ニュイの南部に位置するニュイ・サン=ジョルシュ村は、街を挟んでヴォーヌ・ロマネに隣接する北側とプレモー村に隣接する南側に畑が広がっています。

▼北側の畑から見たニュイ・サンジョルジュ村です。

f:id:turque1991:20191218000231j:plain

ロベール・シュヴィヨン氏が先代と共に興したドメーヌ・ロベール・シュヴィヨンは、南側にレ・サン・ジョルジュ、ヴォークラン、レ・カイユ、ロンシエール、ペリエール、プリュリエ、シェニョ、北側にブースロという名だたる1級畑を所有しています。この地で1960年代後半頃から頭角を現したロベール・ショヴィヨン氏の名声は、現在は二人の息子、ドゥニとベルトランに引き継がれ、そのワインは更に高い評価を受けています。
畑の毛色の良さもさることながら、ブドウの樹齢が高く、平均50〜70年もの古樹から、複雑で濃密感あふれるワインを生み出します。
リュット・レゾネ(減農薬)栽培。ほぼ100%除梗。10〜15度の温度で1週間低温マセレーション(低温浸漬を実施していないという資料もあります)後ステンレスタンク発酵。1級畑のワインで約30%の新樽を用い18ヶ月間の熟成。無清澄・無ろ過で瓶詰めしています。

個人的に結構好みの生産者で、これまで、かなりの本数を飲んでいますが、ヴィンテージに関わらず安定感があり、外れた記憶がありません。加えて、比較的値ごろ感があり、3年くらい前までは、殆どの1級畑が1万円以下で入手できました。特級畑を持たないニュイ・サン=ジョルジュに特化していたこともあり、やや地味な存在であったことも幸いしていたかも知れません。しかし、2015年ヴィンテージあたりから、某ガイド誌の評価の影響もあったのか、結構価格が上がりました。手の届かないところまでの高騰ではありませんが、今後も、トップ・ラインが何とか15K円以内に収まり続けることを望みたいと思います。

さて今回のトップ3ですが、ニュイ・サン=ジョルジュ村の南端、プリモ―村に隣接する3つの畑「レ・サン=ジョルジュ」「レ・カイユ」「レ・ヴォ―クラン」で、ニュイ・サン=ジョルジュの中でも非常に評価の高い畑です。特に、村名の由来となった「レ・サン=ジョルシュ」は、今後、ニュイ・サン=ジョルジュで特級に昇格する畑が出るとすれば、この畑が間違いなく最有力であろうと言われています。

f:id:turque1991:20191218212809j:plain

一般的な評価は、レ・カイユが一番柔らかく、ヴォークランがもっとも骨太。レ・サン・ジョルジュはその中間的と言われています。

▼今回、全て同じヴィンテージで揃えたかったのですが、レ・ヴォ―クランの2010年は既に飲んでしまった為、このワインのみセラーにあった2011年で、他は2010年です。
ちなみに、ドメーヌのラベルは2011年よりモダンなものに切り替わっています。

f:id:turque1991:20191218002040j:plain

ニュイ・サン=ジョルジュ 1erCru レ・カイユ 2010年

レ・サン=ジョルジュと隣接した畑ですが、粘土質がやや多く女性的なワインを生む土壌と言われています。

 

f:id:turque1991:20191218002153j:plain

ルビー色を残したガーネットカラー。縁に少し明るめのレンガ・オレンジ色が混ざる。完熟ラズベリー、ダークチェリー、プラム。甘草、ドライハーブ、ニュイ・サンジョルジュらしい土っぽさ、熟成感を感じさせるタバコや少し甘みのある紅茶、やや酸を感じつつ、アフターには僅かな苦みが伴います。

f:id:turque1991:20191218224953p:plain(3.5)

ニュイ・サン=ジョルジュ 1erCru レ・サン=ジョルジュ 2010年

東向きの斜面で、小石のやや多い石灰岩と粘土質が交じり合うニュイ・サン=ジョルジュの中でも特に理想的な土壌と言われています。

 

f:id:turque1991:20191218002214j:plain

レ・カイユレに比べるとガーネットが強く、色合いに艶を感じます。縁を比べると明らかにレ・カイユレより、若々しいことが分かります。味わい的にも密度が高く、より熟した甘みを感じます。スパイス感もありますが、タンニンは丸く溶け込んでいます。コーヒーや熟成を感じさせる腐葉土の香りも出ています。

f:id:turque1991:20191218225036p:plain(3.7)

 ▼右が、レ・カイユ、左がレ・サン=ジョルジュ。実際にはそれほど違いはありませんが、縁の色合いに差がみられます。

f:id:turque1991:20191218002326j:plain

 どちらも、2010年というグッドヴィンテージに相応しく、濃密ながら熟成感のある素晴らしいワインです。

f:id:turque1991:20191218002407j:plain

ニュイ・サン=ジョルジュ 1erCru レ・ヴォ―クラン 2011年

レ・サン=ジョルジュの上部に隣接している畑で、表土が薄く石灰質が多く、男性的なワインを生みだす土壌と言われています。

 

f:id:turque1991:20191218002455j:plain

前2本と色の比較が分かりにくいですが、ほぼ2010年のレ・サンジョルジュに近い色合いです。香りや密度、味わいもかなり似通っています。
ブルゴーニュの2011年は、2009年や2010年に比べると凡庸な年と言われ、あまり人気がありませんが、ここのワインを飲む限り2010年と変わらない素晴らさを備えているように思います。何よりも、抜栓後、直ぐに香りが全開になることから、2009、2010年よりも扱いやすいように感じます。

f:id:turque1991:20191218225106p:plain(3.6)

総括ですが、レ・カイユレは、確かに柔らかく、最も早く熟成するタイプに感じられました。今回のワインでは、甘・酸・苦のバランスの観点で、やや酸が出ていると感じられその分、少しマイナスになっていますが、個人的な好みで評価は変わってくるかと思います。
レ・サン=ジョルジュとレ・ヴォークランは、やはり濃密感を感じる力強さと円やかさの両方を兼ね備えた甲乙つけ難い素晴らしいワインだと思います。一般の格でいえば、レ・サン=ジョルジュが上ですが、ドメーヌ・ロベール・シュヴィヨンのヴォ―クランは、一部樹齢を100年を超える古樹のブドウも含まれており、ワインの評価もヴォ―クランの方が高い年もあるようです。
いずれも期待を裏切らないドメーヌのワインだと思います。機会があれば、他の1級畑のワインの比較も行ってみたいと思います。

最後に、2015年に訪れたニュイ・サン=ジョルジュ村の様子です。

コート・ド・ニュイの中では最も大きく、結構賑やかな街ですが、ボーヌほど大きくなく、それほど観光地化されていないことから、短い時間で、ブルゴーニュの街歩きを満喫できます。大型スーパもありますが、地元の人で賑わうマルシェは、必見の価値があります。

f:id:turque1991:20191218003433j:plain

f:id:turque1991:20191218003446j:plain

f:id:turque1991:20191218003456j:plain

f:id:turque1991:20191218003504j:plain

 (了)