Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

最近飲んだブルゴーニュから(2023年12月)

最近(2023年12月)家飲みしたブルゴーニュワインです。ロベール・シュヴィヨン、シヤルロパン・テシエ、デュガ・ピィ、ドメーヌ・ローラン、A.F.グロ、ジョセフ・コラン、オーレリー・ベルトー、ロシュ・デ・ベレーヌ、新古ヴィンテージ入り交りです。

ロベール・シュヴィヨン/ニュイ・サン・ジョルジュ・1er・レ・シェニョ 2010年
Dom. Robert Chevillon Nuits Saint Georges 1erCru Les Chaignots 2010

ニュイ・サンジョルジュ村の名門、ドメーヌ・ロベール・シュヴィヨンのプルミエ・クリュです。最近は20Kを超えてしまっているプルミエ・クリュ御三家のレ・サンジョルジュ、レ・ヴォークラン、レ・カイユに比べると比較的価格は抑えられているようです。とはいえ、数年前までは、4桁で購入できていたのですが...。
2011年からエチケットがモダンなデザインに替わっていますので、昔のラベルの最後のヴィンテージになります。このドメーヌのワイン、流通経路は不明ですが、ありがたいとことに、時々バックヴィンテージが手に入ります。これも最近購入した1本です。

このドメーヌのワインらしく濃いめのラズベリーレッド。熟成を示すやや茶色の色合いも混ざる。香りは、最初はやや閉じ気味。2010年のブル赤に時々経験する特徴です。スワリングにより徐々に開き出し、ブルベリーやドライイチジクにスーボア、シダ、腐葉土の熟成香も。味わいは、やや強めの酸のアタック、タンニンはまだ、しっかり感じられるものの比較的滑らかな質感。2009年ものほどの熟した果実味ではなく、比較的冷涼な感じだが、ヴィンテージを問わない安定感は流石にロベール・シュヴィヨンらしい。2日目にはやや獣香も強くなるが、ニュイ・サンジョルジュらしいアーシーな印象は変わらない。

(3.2)

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シャルロパン・ティシエ/マルサネ・レ・ロンジュロワ
Dom. Charlopin Tissier Marsannay Les Longeroies

ドメーヌ・シャルロパンのフィリップ。シャルロパン氏の長男であるヤン・シャルロパン氏が義父のジャスティン・ティシエ氏の協力を得て、2014年に立ち上げたドメーヌのようです。僅か3haの小さなドメーヌでもあり、購入するまで見かけたことはありませんでした。父親のワインの飾りっ気のないエチケットとは異なり、アーティスティックなデザインのエチケットです(花かと思いましたが、よく見ると鶏でした笑)。更に重厚瓶に蝋キャップという凝り様です。

このワインは、同じ時期に2本購入しており、1本目は、半年ほど前に飲みました。
まず、その際のテースティングメモから。
「やや濃いめのラズベリーレッド。香りは良く開いており、華やかなラズベリーやチェリーの赤系果実の香りに薔薇の花やシナモンやリコリスの甘いスパイス。いきいきとした甘酸のアタック、色調以上に凝縮感を感じる。タンニンは滑らかで溶け込んでいる。時間が経つとスーボアの香りも。マルサネのワインで言えば、ジャン・フルニエにも近い。」結構、好印象でした。
今回の印象ですが、色調は、香りは前回同様ですが、厚みのある果実味がやや落ち着いてきた故か、味わいにややオーキーさが目立ち、少しバランスが崩れているように思われました。また、前回やや高めに感じた酸も少し落ち着いてきたせいか、隠れていた?甘さが少し気になります。2018年のブルゴーニュは、気温の影響もあり、ワインの持つ熱量が高く、村名レベルでもリリース直後から美味しく飲めるのですが、最近、少し甘さが気になるようになりました。かつての猛暑のヴィンテージ2003年のワインを思い出しますが、酸とタンニンによる骨格がしっかりしていれば、バランスは保たれるのですが...

(3.0)

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ベルナール・デュガ・ピィ/ジュヴレ・シャンベルタン クール・ド・ロワ VV 2011年
Bernard Dugat Py Gevrey Chambertin Cuvée Coeur de Roy Très Vieilles Vignes 2011

デュガと言えば、最近はクロード・デュガの陰に隠れがちなベルナール・デュガ・ピィですが、個人的には大好きな造り手です。どちらのデュガも、長熟タイプで、若いうちは、ちょっと近寄りがたい印象がありますが、最近はエレガント路線になったと聞きます(最近のヴィンテージを飲んでいないのでわかりません)。
村名クラスのジュヴレ・シャンベルタンは、通常のVV以外に、色々な畑のV.V.をブレンドした今回のクール・ド・ロワ・トレV.V.とレ・ゼヴォセル・トレV.V.がります。どちらも飲んでいますが、前者の方が近づきやすい気がします(財布にも少し優しいし....)
今回は、オフヴィンテージということもあり、飲み頃かと思い、2011年を開けました。
少し、早いかなと思い、一応、デキャンタージュしました。

外観は、写真でもはっきりわかるくらい紫色すら残すような深みのある濃い色調で、グラスの底は見えない、ダークチェリーレッド。10年経つブルゴーニュとは思えない色調です。香りは良く開いており、カシスやダークチェリーのコンポート、ブラックベリーの黒系果実の香り。ローズヒップ、ミントやリコリス、なめし皮、スーボア、腐葉土の熟成のブーケ。味わいのアタックに豊かな酸、凝縮した黒い果実味を厚みがありながらもきめ細かな上質のタンニンが支える。ジュヴレらしい鉄分も感じられる。香りには、甘さが感じられるが、しっかりとしたタンニンに隠れ味わいに甘さは殆ど感じない。
暑さの影響が出ている最近(2018年からの3年間)のブルゴーニュ赤にもこのような色合いのワインも目立つが、味わいは全く違う。冷涼さと果実味の力強さを兼ね備えた素晴らしい骨格が感じられるジュヴレ・シャンベルタン。

(3.7)

オフビンテージでも強めの抽出と(早摘みによる?)豊かな酸がこのドメーヌのワインの特徴だと思います。評価の高い2001年のシャルム・シャンベルタンも飲んだことがありますが、この造り手にとっては、オフヴィンテージもあまり関係ないように思います。今月飲んだ中では、ピカいちのブルゴーニュでした。

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ドメーヌ・ローラン/ニュイ・サン・ジョルジュ レ・ドゥ・スリジェ 2017年
Dom. Laurent Père et Fils Nuits Saint Georges Les Deux Cerisiers 2017

ドミニク・ローランと息子のドメーヌ(自社畑)ものです。プレモー村の丘陵の中腹に位置する畑で、レ・ドゥ・スリジュ=2本の桜の木という名の通り、畑には2本の桜が植えられているとのことですが、プレモー村の丘陵のある国道西側の畑は殆どが、1級畑なので、どの辺りに位置する畑なのかは分かりませんでした。

やや熟成を感じさせるえんじがかった色合い。僅かに濁りも。2017年ヴィンテージらしい外向的な香りのワインを期待したが、抜栓直後は、小豆香の還元臭が僅かに感じられる。少しおいて(名前からのイメージもあり)、チェリーっぽい赤い果実の香りもありますが、特徴的でやや目立つのはがスモーキーな香り。味わいの最初の印象は、円やかな酸とタンニン。果実味もそれなりに感じるが、あまり凝縮感は感じられず、良く言えば、スマートだが、果実味がオークにやや負けている印象。おそらく、2年前に飲んでいれば印象は変わったはず。時間と共に最初控えめに感じた酸が主張してくるが、スモーキーな印象は終始変わらず。状態が少し悪かったかも?

(2.9)

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ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ/ヴォーヌ・ロマネ マジエール 2015年
Dom. A. F. Gros Vosne Romanée Maizières 2015

ヴォーヌ・ロマネの名門グロ・ファミリー、ジャン・グロの長女のドメーヌです。ポマールのパラン家に嫁ぎ、フランソワ・パランの妹と、ドメーヌ・パランとA.F.グロの2つの銘柄でワインをリリースしています。

淡く、繊細なA.F.グロのワインは、あまり、評論家には受けが良くないようで、数年前までは、スルーしていましたが、2019年にドメーヌで試飲して、お気に入りになりました。時々出てくるバックヴィンテージのヴォーヌ・ロマネの村名ワインを買っています(フラッグシップのリシュブールは飲んでいません)

熟成を感じさせる縁にレンガ色が混ざるやや淡いラズベリーレッド。抜栓後、しばらく、香りが殆ど開かない。2015年の外交的な性格を期待したが、完全に閉じており、果実香よりも、僅かにシガーっぽい香り。1時間以上経ってようやく開き始め、ラズベリーやドライローズの香り。味わいは優しく、円やかな酸と滑らかタンニン。凝縮した果実味はあまり感じられないが、少しずつ甘みも。更に1時間以上置いて味わうと、よりシルキーなテクスチャーに。香りにも腐葉土が混ざる。ヴォーヌ・ロマネらしい華やかさにちょっと欠けるが、これはこれで美味しい。ただし、開くのに時間がかかり過ぎ!

(3.1)

過去の記録を見ると、2013年のメジエールも1年半ほど前に飲んでいました。この時は、抜栓直後から開いており、赤系果実の華やかな香りが印象的でした。味わいには、ヴィンテージのせいか、より豊かな酸が感じられました。
過去に飲んだこのドメーヌのベストワインは、ドメーヌからハンドキャリーした、ポマール・1er・レ・ザルヴレ の2012年でした。繊細なワインゆえ、輸送や保管の環境変化の影響を受けやすいのかもしれません。

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ジョセフ・コラン/サン・トーバン プルミエ・クリュ ラ・シャトニエール 2017年
Joseph Colin Saint Aubin 1er Cru La Chatenière 2017

サン・トーバンの大御所マルク・コラン氏の次男が立ち上げたドメーヌのワインです。リリースは、2017年からと新しく、エチケットもコランファミリーの中では、最もモダンなデザインです。最近は人気も高く、シャサーニュ・モンラッシェのプルミエ・クリュを中心に値段が上がっているようです。

クリームイエローの外観、緑色は影を潜め、少し熟成が進んでいる印象。熟したリンゴやアプリコット、ピーチ、アカシア、蜂蜜、樽からの柔らかいバニラ。2017らしい華やかで甘やかな香りが良く開いている。味わいの酸は優しく、甘みを感じる熟度の高い黄色い果実味。やや濃くもあり、とろみも感じる。余韻もやや長め。

(3.2)

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ドメーヌ・オーレリー・ベルト/ボーヌ プルミエ・クリュ ベリサン 2018年
Dom. Aurélie Berthod Beaune 1er Cru Belissand 2018

初めて飲むドメーヌのワインです。
ショレイ・レ・ボーヌに拠を置き、初ヴィンテージは、上記のジョセフ・コランと同じ2017年のようです。

まだ紫色を残す深み・艶のあるラズベリーレッド。
抜栓直後から香りは良く開いており、ダークチェリーやブルーベリーの赤黒系のフレッシュさも感じる華やかな果実香にローズヒップ、レッド・リコリスのハーブ香と軽いオークのニュアンスが加わり、複雑さを醸し出している印象。味わいにいきいきとした果実味、豊かな酸を感じ、タンニンはきめ細かい。
2018年らしい色調だが、味わいの熱量や甘みはぎりぎり抑えられており、冷涼さも感じられる。初めて飲んだが、これは掘り出しもの。美味しい。

(3.5)

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ドメーヌ・ド・ベレーヌ/ ボーヌ ブランシュ・フレール 2019年
Dom. de Bellene Beaune Blanches Fleurs 2019

ドメーヌ・ド・ラ・プスドールやメゾン・ニコラ・ポテルの印象が強い二コラ・ポテルのドメーヌものです。ネゴシアンものの二コラ・ポテルは、結構、あたりハズレが目立ちましたが、ドメーヌものについては、レジョナルを含めて外れに感じたことはありません。もっともレジョナル以外は、それほど飲んだわけではありませんが...。
蝋キャップを採用しています。

外観は、えんじがかった艶のあるラズベリーレッド。上のオーレリー・ベルトよりも少し淡い。こちらも香りは良く開いている。赤系ベリーの果実香、レッドローズ、リコリスにミルクティーっぽい香りも。アタックの酸は強くないが、不足しているという訳ではない。果実味主体で、タンニンは滑らかで円やか。いかにもボーヌの良年らしい優しを感じるワイン。アタックからミッドパレットに感じる甘さは抑えられているが、円やかなタンニンのせいか、余韻には甘みを感じる。若いワインですが、1時間くらいするとスーボアや僅かに腐葉土の香りも。前出のオーレリー・ベルト同様、暑い気候からの熱量はぎりぎり抑えられている印象。

(3.4)

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以上ですが、個人的な好みからは、デュガ・ピィのジュヴレ・シャンベルタン クール・ド・ロワが抜きんでていました。冷涼さと力強い骨格、綺麗な酸が素晴らしいワインです。あとは、最近のヴィンテージですが、オーレリー・ベルトとド・ベレーヌが印象的でした。濃厚ながら新世界的な甘さでないブルゴーニュらしいワインでした。

昨年は、エクセレンスの試験対策の為、色々な国のワインを飲みまくりましたが(ブログに記録は殆ど残していません)、やはりブルゴーニュに戻ってきてしまいます。
願わくは、来年(2022年ヴィンテージ)は、価格高騰が落ち着いてくれますように!