1月の主に平日に飲んだワインです。正月休みがあったので、少々贅沢なものも含まれていますが、ブショネあり、期待外れあり。印象は値段相応ではありませんでした。コスパの良さを感じたのは、ホテルの部屋で飲んだNZのリースリングくらいでしょうか?
今年最初の一本は、お屠蘇と一緒に飲んだボルドー貴腐ワインです。
ドヴィナス 2006年 ルーピックA.O.C
Dvinus 2006 ,Loupiac,A.O.C
2017 年にペサック・レオニャンのシャトー・ルヴィエ―ルで購入した木箱入りの甘口白ワインです。シャトー・ルヴィエールのオーナーは、André Lurton(アンドレ・ルートン)という、ペサック・レオニヤンの名門シャトーで、29ものシャトーを持っています。このワインは、その中のひとつです。シャトー訪問時、試飲して、このワインとルヴィエ―ル赤の2010年とエル(L)ドゥ ラヴィエ―ル白(シャトー・ルヴィエ―ルの2ndワインです。このワインはデイリーとして絶対的にお勧めです)を購入しました。
産地は、ルピアック。アントル・ドゥー・メール地域の南部、ガロンヌ川右岸に位置し、甘口白ワインで1936年に認定されたAOCです。このAOCは、川を挟んでソーテルヌ地区のバルザック村と接しており、よく似たワインが造られているようです。知名度の低さゆえ、品質の割に、手頃な価格で入手できる貴腐ワインです。
正月の駅伝を見ながら飲みました。黄金色。フローラルな甘い香り、僅かに薫香も。花梨、ライム、蜂蜜。当然甘いですが、適度な酸もあり、美味しいボルドー甘口です。現地試飲で気に入ったワインなので期待通りでした。残念ながら日本には入っていないようです。
(3.4)
ベルトラン・アンブロワーズ ブルゴーニュ ブラン 2017年
Bertrand Ambroise Bourgogne Blanc 2017
ベルトラン・アンブロワーズ2017年の白の裾ものです。年末に続いての飲みました。
印象的なミネラル香、青リンゴ、アカシア、ライム。フィニュシュに僅かな苦み。若いので複雑さは期待できませんが、酸、ミネラル、甘みのバランスがなかなか絶妙で、デーリーワインとして美味しいと思います。サーモン燻製と良く合います。
(3.2)
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令和2年最初のブル赤は、クロ・ド・ラ・ロッシュの古酒です。
ドミニク・ローラン クロ・ド・ラ・ロッシュ 1997年
Domnique Laurent Clos de la Roche 1997
1989年創設のネゴシアンで、90年代にブレークしました。新樽200%(新樽100%で熟成させたワインをさらに新樽で熟成させる)で有名になり、当時は、新樽の魔術師とも呼ばれていました。最近は、少しエレガント路線に転向したようですが、この当時、特にグランクリュは、まさに新樽200%だったと思われます。
抜栓してグラスに注ぐと、....濁っています。しばらく立てていたのに滓?嫌な予感。
少しかび臭い湿った木質の香り。
ブショネでした!完全な(笑)
ドミニク・ローランのワインは、1995年のビンテージ頃から結構の数を飲んでいますが、過去の1度だけやはり酷いブショネにあたったことがあります。やはり、90年代のヴィンテージだったと記憶しています。このころは、まだ品質が安定していなかったのでしょうか?
それにしても、グランクリュのブショネなので、正月からショックは大きかったです。
(ー)評価不能
ラユエラ レゼルヴァ ソーヴィニヨン・ブラン 2018年
Rayuela Reserva Sauvignon Blanc 2018
普段は買わないイオンの1K以下のワイン。生産者はチリのViu Manent。「やまや」が昔から扱っている生産者です。
グリーンがかった淡いクリームイエロー。トロピカルフルーツというより、やや芝生っぽい香り。果実味が無い訳でもないが、やや薄く、苦みを伴うフィニュシュは短い。
(2.0)
トゥーリバーズ リースリング 2018年
Two Rivers Juliet Riesling 2018 Marlborough,NZ
ニュージーランドのマールボロ地区のリースリングです。マールボロの2つの河川、「ワイラウリバー」と「アワテレリバー」から命名されているようです。マールボロといえば、ソーヴィニヨン・ブランの産地で有名ですが、リースリングのワインは、あまり見かけません。
信濃屋で購入(1999円)
スキーに行ったホテルの部屋でランチと飲みました。
グリーンがかった淡いクリームイエロ。ライム、レモン、オレンジピール、フレッシュハーブ、白い花の香り。僅かながら感じるペトロ香でリースリングであることが分かります。綺麗な酸、フィニュシュに少し苦みを感じ、余韻は中程度。
豊かな果実味を感じるワインで、酸も溌溂をしており、マールボロという先入観のせいか、ペトロール香がなければ、ソーヴィニヨン・ブランと勘違いしそうです。アルザスやアメリカのリースリングとは、違いますが、これはこれで美味しいリースリングです。
(3.3)
ドメーヌ・ド・フェラン シャトーヌフ・デュ・パプ 2012年
Domaine de Ferrand Châteauneuf-du-Pape 2012
シャトーヌフ・デュ・パプで18世紀から家族経営でワインを造り続けているドメーヌです。2014年にアヴィニヨンを訪れたときに現地の酒屋でよく見かけました。そこで購入して持ち帰ったのが最初の出会いです。最近ワインアドヴォケート誌で高い評価を受けて、日本でもよく見かけるようになりましたが、生産量は、3万5000本程度とあまり大きくはないようです。
やや濃いめのダークチェリーレッド。カシス、ブラックベリー、完熟プルーン、甘草、なめし皮、甘くシルキーなタンニン。熟成感もそこそこあります。グルナッシュ主体のようですが、野暮ったさは感じず、洗練された味わいで、あっという間に飲きってしまいました。
(3.5)
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▼ホテルの部屋でチーズと共に。
ドメーヌ・ジャフラン ぺルナン・ヴェルジェラス 1級 クリュー ド ラ ネ 2014年
Domaine Jaffelin Pere&Fils Pernand Vergelesses 1er Cru Creux De La Net 2014
始めて目にするドメーヌですが、ペルナン・ヴェルジュレスで数世代続く家族経営の生産者のようです。
信濃屋でインポータが店頭販売しており、試飲できませんでしたが、3Kを切る安さにつられて購入してしまいました。
スイスのピノノワールで磨いたハードチーズ、ヴュリー・ルージュとともに。
淡いラズベリーレッド。ラズベリー、アメリカンチェリーの赤系果実、スミレの香りにマッシュルームやスパイス、下草の香りが混ざる。紅茶のニュアンスも。香りは悪くないが、結構、酸が強い。使っている樽に起因するのか、ちょっと癖のある木質の香り(ブショネという訳ではない)。タンニンを感じる余韻は比較的短い。
香りで感じるほど、果実味は豊かではなく、強めの酸と少しざらつくタンニンがバランスを崩している感じです。
(2.5)
ドミニク・ローラン ボーヌ1級 2012年
Dominique Laurent Beaune 1erCru 2012
正月に飲んだクロ・ド・ラ・ロッシュが、大ブショネで、今回はリベンジです。ドミニク・ローランの黒ラベルです。この他のドミニク・ローランの他のラベルとは違う黒ラベルは、ドミニク・ローランが信頼している生産者から買い付けている銘柄になります。このワイン以外に、1級では、ジュヴレ・シャンベルタン・1er・クロ・サン・ジャック、ヴォーヌ・ロマネ・1er・スショといった銘柄があります。当然ながら、生産者は公表されていませんが、恐らく、それなりに力量のある生産者と予想されます。
やや濃いめのラズベリーレッド。縁に僅かなオレンジが入る。抜栓後、15分ほどで開き始めます。ラズベリー、ブルーベリー、ダークチェリー、薔薇、ドライハーブ、甘草、なめし皮、下草、少し腐葉土。酸はそれほど強くなく、スパイシー感を感じる。タンニンは滑らかだが、まだしっかりしており、完全に溶け込むまで、あと2、3年かかりそう。
1erCruクラス以上は未だ開いていないものも多い2012年のブル赤ですが、このワインは大丈夫でした。ただ、真価を発揮するまでにはもう少し時間が必要なようです。
(3.5)
シャトー・サン・ミッシェル コロンビア・ヴァレ― リースリング 2018年
Chateau Ste. Michelle Columbia Valley Riesling 2018
アメリカ・ワシントン州コロンビア・ヴァレーAVAの生産者で、白ワインはシアトル郊外で醸造されているようです。このワイナリー、ソムリエやワインエキスパートの勉強をした方は、よくご存じかと思いますが、教本のワシントン州のワインの歴史の説明で最初に出てきます。ワシントン州ワインの祖のような有名な生産者です。1974年にリースリングのワインが『ロサンゼルス タイムズ』主催のテイスティングでトップ評価を受け、一躍全米の注目を集めたようです。
信濃屋で購入(1399円)
▼甘エビのから揚げと。リースリングのオイリーさとから揚げが良く合います。
このワインを飲むのは3回目です。
抜栓直後は、少し微発泡を感じます。リースリング特有のペトロール香というより、ちょっと変わった樹脂っぽい香り。というとネガティブなイメージですが、香りだけで、口に含むと、そのイメージは消え、リンゴ、花梨の黄色い香りを感じる果実味豊かなワインです。ただ、以前の飲んだ時に比べ甘みが強いように感じます。
(3.1)
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今月は、アルザス、NZマールボロ(この記事のTwo Rivers)とこのコロンビア・ヴァレ―と3本のリースリングを飲みました。
アルザスはこちら↓
https://www.wine-and-cheese.net/entry/2020/01/23/232717
リースリングという品種、ソムリエやワイン・エキスパートの2次(テースティング)試験に毎度のように出題されます。リースリングという品種自体を当てるのは、それほど難しくないと思いますが、問題は、産地(国)です。甘口のドイツは別として、辛口のリースリングの産地を当てるのは少しコツが必要です。今回の3本は、そこそこ明確に区別できるように思いました。
ル・ティー・ド・タマリ―・ロゼ 2017年
Le T de Tamary Rose 2017
2009年よりマルゴー格付3級のマレスコ・サン・デグジュペリのオーナーが所有するプロヴァンスのロゼです。品種は書いてませんが、サンソー、グルナッシュ、ムールドヴェードルといったプロヴァンス・ロゼの一般的な品種だと思います。
冷蔵庫でギンギンに冷やしていたので香りがあまり立ちません。温度が上がると、ライム、青リンゴ、オレンジピール、少しベリーっぽい果実香やハーブ香が立ち上がってきますが、比較的穏やかな香りですが、いきいきとした酸を感じます。プロヴァンスのロゼはやや甘めのものもありますが、これは完全に辛口です。アフターに僅かな苦みを伴います。比較的軽く、全く食事の邪魔をしないタイプのワインです。
信濃屋で1K円後半。コスパは悪くないと思います。ランチにも合いますが、ランチワインとしては、もう少し甘みがあれば申し分ありません。
(3.0)
合わせたのは、北海道滝上町のフレッシュクリームチーズです。オリジナルは「月のチーズ」という名前ですが、これはヒサダ(チーズ王国)のブランドで出ているものです。プレーンやハーブ、トロピカル・フルーツ等、いくつかの種類がありますが、お奨めは、このハニーアップル&カルヴァドスです。入荷は不定期ですが、見つけると、つい買ってしまいます。甘みがあるので、シャンパンや甘口のワインがベストです。もちろん、ワイン以外でも、紅茶に最高に合うと思います。
ドメーヌ・ロリュー ブルグイユ 2017年
Dom.Lorieaux Bourgueil Cuvee de l’Humelaye 2017
ロワールのカベルネフラン産地として有名なブルグイユに拠をおく家族経営のドメーヌで、ボルドーの名門タイアングループの傘下にあるようです。
紫がかったダークチェリーレッド。ブラックベリー、ブルーベリー、少し酸のあるプラム、そしてカベルネ・フランの特徴であるグリーンペッパーの香りとタバコの香り。やや収斂性のあるタンニンを感じます。抜栓直後は、結構酸が強かったですが、時間の経過とともに少し落ち着きます。
(3.2)
カベルネ・フランのピーマン香は、嫌いではないのですが、ワイン単独で味わうと、結構重く感じる時があります。比較的主張強い料理と合わせるのが良いかと思います。マグレカナール等のジビエや牛肉の煮込等です。この日は、鴨でしたが、鴨鍋だったので、淡白過ぎて合いませんでした。
フルムダンベールやウブリアーコ・ダモーレ(アマローネの染み込んだ熟成アジーゴ)は良く合います。
シャーウッド・ エステート ストラタム ピノ・ノワール 2018年
Sherwood Estate Stratum Stratum Pinot Noir 2018
ニュジーランド南東のワイパラ地区のピノノワール。1987年操業のワイナリーですが、急成長しており、現在では200ヘクタールもの畑を所有するようです。「ワイン王国」や「リアルワインガイド」誌で高い評価を受けており、2本購入してみました。
薄い!ストロベリーやサワーチェリーの赤系果実のチャーミングなアロマ。タンニンは柔らかく、果実味主体であるが、少しスモーキーな感じと紅茶の香りも感じられる。新世界的なジャミーさや甘ったるさではないが、ブルゴーニュのピノとは違う。薄旨系のワインが好きな人は結構気に入るかも。
ランチに飲むワインとしては良いが、正直ディナーにはちょっと避けたいタイプ。
(2.9)
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シャトー・ベレール・ラグラーヴ 1990年
Chateau Bel Air Lagrave Moulis-en-médoc 1990
メドック・ムーリス村のシャトーです。久々の1990年のボルドー。
最近購入したもので、5Kを切る価格でした。
レンガ色がかったガーネット。煮詰めて焦がしたプラム。若干ツンと感じる野菜香、芝生の青っぽい香り。んー、色調はそこそこですが、口に含むと痩せた果実味。収斂性を感じさせるタンニン。もともとなのか、経年によるものか、保存状態なのか?いずれにせよ、期待外れでした。ラベルを見るとインポータは、ジャパンインポートシステム。平行輸入物の古酒は、あたりはずれ大きいです。
(2.0)
<了>