リシュー・エ・オーギュスト・リニエのシャンボール・ミュジニー・レ・ビュシエール2005年です。先日同じヴィンテージのモレ・サン=ドニの村名クロ・レ・シオニエールを飲んで印象的であったこともあり、再度トライしてみました。
実はこのワインは、2ヶ月ほど前に1度飲んでいます。残念ながら、軽いブショネでした。同じワインの同じヴィンテージなので、ブショネのリスクを懸念しながらも再トライしてみました。
リシュー・エ・オーギュスト・リニエの成り立ちとその後については、→こちらでも書きましたが、2005年ヴィンテージのこのワインは、栽培と醸造がユベール・リニエ、瓶詰めにケレン・リニエが関わっています。
レ・ビュシエールの畑ですが、シャンボール・ミュジニーとモレ・サン=ドニに跨って存在しています。シャンボール・ミュジニー側は、1級畑レ・サンティエールの東に隣接する村名畑ですが、モレ・サン=ドニ側は、1級畑になっています。ニュイ・サン=ジョルジュのレ・ダモードのように同一村内で村名と1級畑に分かれている例はありますが、異なる村で格違いの畑に分かれているのは珍しいかと思います。ちなみにモレ側の1級畑の所有者としてよく知られているのが、オリヴィエ・ジュアンかと思います。
▼モレ側のレ・ビュシエール(1級畑)です。
リシュー・エ・オーギュスト・リニエのシャンボール・ミュジニー・レ・ビュシエール2005年
[2005] Lucie et Auguste Lignier Chambolle Musigny Les Bussières
所有面積0.49ha、平均樹齢40年、新樽率30%、100%除梗。ノンフィルターで瓶詰め。
濃さ中程度の艶のある黒みがかったルビーカラー。香りからは、まずは前回のようなブショネでなく一安心。ただ、抜栓後しばらく香りは弱く控えめ。僅かに熟成感のあるブラックベリー、ブルーベリーの黒青系ベリーの香りにオークからのロースト香、黒胡椒、シナモン、ドライハーブ。アタックにはやや強い酸を感じる。タンニンはこなれている。1時間くらい経つとようや開いて、上記の香りがよりくっきりしてくるが、2005年のブルゴーニュ赤に見られる甘露さや果実のふくよかさはあまり感じられず、どちらかと言えば冷涼な印象を受ける。3時間くらいかけて飲んだが、飲み終わる頃には、再び酸が突出し、果実味が少し痩せた印象に。色合い的には良好で期待が大きいのですが、味わいにちょっとギャップを感じます。
(3.0)
▼コンテ、ボーフォール、フルムダンベールとチキンのソテーと。
村違いとはいえ、印象の良かった同年のモレ・サン=ドニ・クロ・クロ・レ・シオニエールの畑とはそれほど離れていないので期待大でしたが、高い酸と他の要素とのバランスがいまいちとれていないようで、正直あまり印象に残らない1本でした。専門誌の評価は、89~90点と悪くはないのですが、保存状態でしょうか?.
<了>