元DRC社員で2008年に実家のドメーヌを継承したヴァンサン・ルグーのオー・コート・ド・ニュイです。ヴォーヌ・ロマネの1級銘醸畑、レ・ボーマンの上部に位置するモノポールということに興味を持ち、今回2015&2016年を試してみました。
DRCで栽培に長年携わり、その後自らのドメーヌで立ち上げた造り手としては、アンリ・オーディフレッドが良く知られていますが、同じような経歴を有するのが、このヴァンサン・ルグーです。アンリ・オーディフレッドは、DRCで、ロマネコンティとラ・ターシュの栽培に携わっていましたが、DRCのグラン・エシェゾーとエシェゾーの栽培を担当していたのが、ヴァンサン・ルグーです。
ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイは、オー(Haut)の名称が示すように、コート・ド・ニュイの上部、標高の高い西部の位置する産地です。コート・ド・ニュイ・ヴィラージュに比べると格下のように扱われていますが、安価で結構個性的なワインを生み出すことで知られています。
今回のレ・ボー・モン・リュソ(Les Beaux Monts Lussots)という畑ですが、ヴォーヌ・ロマネの標高が高い西部にある1級畑、Les Baux Monts (Hauts) の上部に位置する2.26haほどのモノポール畑で、一部フラジェ・エシェゾー村内に属しています。ボー・モンの上部といっても、隣接している訳でなく、写真の雑木林を超えたとところにあるようです(この位置から畑を見ることはできません)。近くには、メオ・カミュゼのオート・コート・ド・ニュイ・ブランの畑があるようです。
▼矢印の白い場所にある畑です。
[2015]Domaine Vincent Legou Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits “Les Beaux Monts Lussots”
[2016]Domaine Vincent Legou Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits “Les Beaux Monts Lussots”
樹齢は約30年。大小の石に覆われた粘土石灰質土壌で、豊かなコクのあるワインとなります。新樽20%、1~5回使用樽80%で16ヶ月間熟成。完全ビオロジック栽培。
▼右が2015年、左が2016年になります。ヴィンテージ的には、どちらも良い年で、わずか1年違いですが、2015年の方が明らかに淡く明るい色調です。
まず、2015年から。
やや明るいラズベリーレッド。クランベリー、ラズベリーの赤系果実、スミレ、赤い花の華やかで心地よい香り。綺麗な酸。ヴォーヌ・ロマネ的な香りながら、やや軽めでチャーミングなワイン。時間が経つと、2015年らしい甘みとシナモンや紅茶っぽい熟成感も少し。
(3.3)
次に、2016年。
2015年よりやや濃く、少しガーネットがかったラズベリーレッド。こちらはブルーベリー、ダークチェリーの赤青系果実。ドライフラワー、リコリス、果実味が前面に出てフローラルな2015年に比べ、こちらはややスパイシー感も目立ち、酸もやや強め。
(3.2)
好みによるかとは思いますが、ヴォーヌ・ロマネやフランシュ・シェゾー的な華やかさという観点で、今飲んで単純に美味しいのは、2015年だと思います。★は、今飲んでの評価で、ポテンシャル的には2016年の方が高いと思います。
▼マグロのマリネとレモンハーブチキンと。
▼鴨のパストラミとポトフ。
▼仏サヴォア地方の山のチーズ、ボーフォールです。季節や生産場所によって、ダルパージュやエテという味の濃いタイプもありますが、これは、普通のボーフォールで、ややマイルドなタイプです。軽め~中口の赤によく合います。
▼とちらは、北イタリアのハードチーズ、パヴィア。以前はイオンでも真空包装のものが販売されており良く購入していましたが、最近近くのイオンでは扱いはなくなったようで、これは、専門店(フェルミエ)でカットしてもらったものです。旨味に加え、パイナップルのような酸味が特徴で、個人的にはパルミジャーノ・レッジャーノより好みなのですが、目が詰まっておりハードで、ややカットしにくく、空気に触れることで、比較的早く硬くなるのでやや扱いにくいチーズではあります。
これも赤ワインに合いますが、日本酒との相性もGoodです。
価格的には、3.7K~3.8Kとオー・コート・ド・ニュイとしては、平均的~やや安い方だと思いますが、村名と比べてもそれほど遜色はなく、コスパは高いと思います。最近割とお気に入りの造り手です。
機会があれば、同じ経歴を持つオーディ・フレッドとヴォーヌ・ロマネのワインで比較してみたいと思います。
<了>