Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

最近飲んだブルゴーニュ(2023/7)

最近(2023年7月)飲んだブルゴーニュワインです。いずれも飲み頃でしたが、2000年台の古酒が2本含まれます。シャルル・ノエラのヴォルネイ・プルミエ・クリュとシャンソンのニュイ・サン・ジョルジュ・1er・ポレ・サン・ジョルジュです。いずれも綺麗に熟成した古酒でした。

Domaine Chanson Nuit-Saints-Georges 1erCru Porrets Sain-George 2008

シャンソンは、ボーヌに本拠を置く1750年創業の老舗のメゾンです。シャンパニューのメゾン、ボランジェの傘下です。どちらかと言えば、ネゴシアンのイメージがありますが、ボーヌの1級畑を中心に37haもの自社畑をもっているようです。日本では同じ大手のルイ・ジャド、ブシャール、フェヴレイに比べるとあまり見かけませんが、ボーヌのスーパー等には結構並んでいました。(Les)Porrets Saint-Georgeですが、ニュイ・サン・ジョルジュの南部のヴァルロ背斜谷の扇状地に位置する3.1ha(Clos des Prorreを含む) ほどの1級畑です。畑名の由来は「ナシの木」(ポワレ)のようです。有名なレ・カイユにも接していますが、なんとなく知名度は低いような気がします。アンリ・グージュやフェヴレイ等が所有しています。さらに南のLes Saint-GeorgesやLes Vaucrainsに比べると柔らかいワインと言えると思います。

縁にレンガ色が混ざる熟成感のあるやや淡い色合い。
香りは、熟したイチジクやドライフルーツの果実香もあるが、直ぐに紅茶や腐葉土、マッシュルームなどの熟成からのブーケが強く感じられる。いかにもニュイ・サン・ジョルジュらしいアーシーな香りも。アタックの味わいは、よく熟した果実味。2008年らしい酸の強さも感じるが、中盤は未だ豊かな果実味が優位であまり気にならない。タンニンはきめ細かくよく溶け込んでいる。余韻にはタンニンからの僅かな苦み。時間が経つと動物的な香りも。これは、いい感じに熟成した古酒。

(3.3)

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Domaine simon Bize &Fils Savigny-les-Beaune 1er Cru Les Fournaux 2017

シモン・ビーズの2017年ヴィンテージです。以前、NHKで千紗女史のドキュメンタリーが放映されていましたが、その中で千紗さんの進言で、ある畑でビオディナミ農法をスタートしたという話がありました。それが、このレ・フルノーだったと思います。自社畑としては、サヴィニー・レ・ボーヌのオー・ヴェルジェラスや隣接するレ・タルメットの方が評価は高いようですが、このレ・フルノーも柔らかくて早くから飲める非常に魅力的なワインだと思います。

深みと艶のあるラズベリーレッド。僅かに縁に熟成感を感じる落ち着いた色合い。
香りは、良く開いており、熟したブルーベリーやアメリカンチェリーの果実香。薔薇やドライフラワーの華やかな香りとリコリスやシナモンの甘苦スパイスが混ざる。華やかさを残しつつも複雑な香り。アタックは、甘みのある果実味のテースト、ミッドパレットには上質で(荒々しくない)落ち着いた酸が伸びる。タンニンはきめ細かくシルキー。ここのテロワールもあると思うが、シモン・ビーズのワインのタンニンはいつも優しい。かと言って甘すぎない。暑かった2017年の熱量を抑えながら良質の果実味を感じるワイン。2017年のシモン・ビーズ、結構良いかも?

(3.3)

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Domaine Pierre Morey Volnay Santenots 2011

ピュイニー・モンラッシェの本拠を置くピエール・モレのヴォルネイ・サントノです。ピエール・モレはルフレーヴの醸造長を長く勤めていた経歴をもちます。そんな理由から、白ワインの造り手のイメージがありますが、赤ワインも結構生産しているようです。
過去、2回ほどブルゴーニュレジョナルを飲みましたが、結構色濃く、オークが強く感じられるワインでした。

縁に少しレンガ色が混ざるが、やや深みのあるラズベリーレッド。
香りは、良く開いており、ダークチェリー、プラム、ブラックベリーのやや黒系果実寄りの香り。バラや牡丹、そして甘草、ブラックペッパのスパイス、なめし皮、モカ、やや強めのオークの香り。
アタックは凝縮した果実からの甘み。中盤から広がる酸は、落ち着いているが、力強く豊富。タンニンは収斂性がなく、甘く溶け込んでいる印象。
女性的と言われるヴォルネイの印象はなく、ブラインドで飲むとボルドーと言ってしまうかも?(ちょと大げさ)
ヴィンテージ関係なしの力強いブル赤でした。
良いワインだとは思いますが、このオーキーさは、自身の好みからはちょっと外れます。

(3.0)
フルムダンベールとの相性はGoodでした(ワインが負けない)

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Domaine Rene Bouvier Gevery Chambertin V.V. 2017 

初めて飲むドメーヌのワインです。
ルネ ブーヴィエは、マルサネ村に拠を構える父のドメーヌを引き継ぎ、現在はジュヴレ・シャンベルタンでワインを生産している造り手です。AB認証に加えて、ビオディナミ農法も取り入れているようです。

縁にレンガが混ざるやや淡いラズベリーレッド。
香りは良く開いており、ラズベリーやダークチェリー、ブルーベリーの良く熟した赤黒果実、スミレ、ドライフラワー、ビーツ、やや焦げたニュアンス。シナモンや甘草、僅かにオリエンタルスパイスも。下草、腐葉土や紅茶の熟成のニュアンスも。
アタックに果実からの甘み、酸はしっかり感じられるが、決して過剰ではない。中盤から果実味ときめ細かくビロードのような滑らかなタンニンが口中に広がり、余韻まで続く。ジュヴレらしい骨格をもつ強さを持つワインでなく意外に柔らかくエレガントなワイン。あまり期待していなかったが、素直に美味しい。

(3.4)

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Domaine Frederic Esmonin Gevery Chambertin 1er Cru Estournelles Saint-Jaques 2016

ワイン誌でもあまり評価されず、人気はいまいちのようなフレデリックエスモナンですが、高騰するブルゴーニュワインの中で、良心的価格が維持されている数少ないドメーヌです。このプルミエ・クリュのワインは、セット品だったので価格は不明ですが、6~7K円程度だったではないか思います。グランクリュのリュショットやマジでさえ、今でも2万円以下で購入できるようです。

艶のあるやや濃いめのラズベリーレッド。
香りは抜栓直後からすでに全開。ラズベリーやブルーベリーダークチェリーの熟度をかんじさせる果実香、薔薇やドライハーブ、ヨードのミネラル、甘草、白檀。モカ、オークの樽熟からの複雑な香り。アタックは甘いが、直ぐに豊かな酸ときめ細かいタンニンに加えて、旨味が口中に広がる。柔らかいながらも豊かな中盤。ジュヴレの鉄っぽさも。余韻に心地よいタンニンからの苦み。
2016年のジュヴレということで、結構、硬いイメージがあったが、コクがありながらも凝縮した果実からの旨味が印象的な美味しいワイン。前出のルネ・ブーヴィエとは全く異なる性格のジュヴレですが、良い意味で、予想を裏切るワインでした。

(3.5)

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Charles Noëllat Volnay 1er Cru 2001

ネゴシアン大手のセリエ・デ・ウルシュリーヌの別ブランドで名手シャルル・ノエラの名前を名乗るワインですが、正直、名前負けしている印象で、結構ばらつきがあるように感じます。といっても、あまり上級の銘柄を飲んだことが無く、もっぱらブルゴーニュ・レジョナルや村名が殆どです。前回飲んだ2010年のブルゴーニュも薄っぺらく、期待外れでした。
今回は、ヴォルネイのプルミエ・クリュ。ただヴィンテージは、ちょっと弱い2001年です。

熟成感を感じるレンガ色が混ざるが、意外に枯れた印象の色合いではない。
ラズベリーや熟したチェリー、イチジクの果実味もまだしっかり残っている。フェンネルやオリエンタルスパイスの複雑な香りに腐葉土ダージリン、少しマッシュルームの熟成香も。香り的には、古酒の良さが出たいい感じ。
アタックには強めの酸を感じ、中盤から後半までこの酸が続く。口中での変化はあまりなく、やや単調に感じれれる。このあたりが、2001年の限界か?香りに比べ、テーストはもう一歩なのが残念。
これもセット品なので価格は不明ですが、5~6K程度であれば買いかも?

(3.1)

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最後にチーズです。
ヌーケルというノルウェー産のセミハードチーズです。
クミンとグローブを練り込んだややスパイシーな味わいです。ビールに合うと書いてありますが、スパイシーな赤ワインにも良く合うと思います。思ったほど癖はなく、お奨めです。