Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

イタリア旅行2023年~トスカーナ編

2023年9月9日~16日、イタリア トスカーナを訪れました。2019年に予定していたイタリア旅行ですが、コロナでキャンセルとなり、4年後の実現となりました。フィレンツェシエナといったイタリア中世の歴史都市を有し、多くの世界遺産で有名ですが、世界で最も美しいと言われているトスカーナの田舎風景を満喫したいというのが一番の動機でした。

トスカーナへはフランクフルト経由で飛行機を乗り継いでフィレンツェから入りました。戦争のおかげで、かつてのロシア経由の最短ルートが使えないため、北極海経由で15時間近く掛かります(従来の+2~3時間)

かなりの距離、北極海上空を飛びますので、晴れていれば、窓の外、眼下には決して行くことのないであろう北極海の氷河が長い時間楽しめます。
↓こんなハート形の湖も見えます。一面真っ白な北極海の光景と思ったのですが、ところどころ雲で隠れながらも意外に楽しめました。

トスカーナは、イタリアを代表するワイン産地としても有名です。ワインにあまり詳しくない人でもその名を知っているキャンティや、ピエモンテバローロバルバレスコとともにイタリアの3大銘酒と言われているブルネッロ・ディ・モンタルティーのモンタルティーノなどの銘醸地が点在しています。

首都フィレンツェに2泊後、トスカーナ ピサ県の田舎Selvatelleというところに5泊しまし(うち1泊はリグーリアのLe Spezia泊)レンタカーで周りました。

↓今回訪れた場所です。

1.フィレンツェ(Firenze)

フィレンツェのドゥオモ(大聖堂)です。ここは、予約して上まで登れるようですが、多くの階段を上る必要があり、結構大変そうなので諦めました。

ドゥオモ付近はもの凄い数の観光客であふれています。世界遺産に含まれるポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)ですが、寝不足に加え、人混みと暑さに負けて早々に観光は切り上げました。

2.キャンティChanti Classico)

3日目は、トスカーナの代表的な産地、キャンティ・クラシコを訪れました。
キャンティ・クラシコのワイナリー訪問記はこちらに書きましたので、ここでは省略します。

3.セルヴァテッレ/カサノヴァ(Selvatelle/Casanova)

↓今回のメインの宿泊先Casanova/Selvatelleという村の近くにあるヒルトンのコンドミニアム、Hilton Grand Vacations Club at Borgo alle Vigneです。

2ベットルームの広い部屋です。ヨーロッパというよりアメリカの一軒家という感じです。ヒルトン系ということもあって、実際宿泊しているのは、ほとんどアメリカ人のようです。↓小高い丘の上の宿から眼下に広がる風景です。反対側に見えるのは、Peccoliという村だと思います。後から調べると面白い村のようですが、残念ながら訪れる時間がありませんでした。夕日があたると様々な光景を見せてくれます。糸杉も見られ、ただここに滞在してこの風景を見ているだけでもトスカーナらしい風景を楽しめます。

3.オルチャ渓谷とモンタルティーノ(Montalcino)

4日目は、Casanova/Selvatelleから思い切って足を延ばして、車で2時間かけて、トスカーナ南部のオルチャ渓谷を訪れました。なだらかに連なる丘、立ち並ぶ糸杉、パッチワークのようなオリーブ畑やブドウ畑が広がるこの地は、2004年に世界文化遺産に登録されています。


オルチャ渓谷を見下ろせる要塞都市モンタルチーノに立ち寄りました。シエナやサンジャミーに比べると観光地としての知名度はやや低めですが、ここは、ワイン好きにとっては、外せない銘醸赤ワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの産地です。↓麓に車を止めて少し登ったところに城門があります。やはり、ここにきたらブルネッロ・ディ・モンタルチーノです。
左の白は、フランチャコルタです。グラスですが、イル ポッジョーネのブルネッロ ディ モンタルチーノです。
流石に美味しい。濃厚ながらエレガントなサンジョベーゼ(グロッソ)です。塔の麓に大きなエノテカがあります。ここの品揃えが凄い!イタリアの銘酒が古酒含めてズラリとならんでいます。
↓ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを代表する(というより、元祖)ビオンディ・サンディです。↓マッセートも。最近はとうとう10万を超えてしまいましたが...スーパートスカンの代表、サッシカイアも。写真はありませんが、セラーにはロマネ・コンティもありました。

4.ラヤーティコ(Lajatico)

実は、この村は当初の予定には入っていなかったのですが、キャンティのガイドをしていただいたロコの方から、宿泊地に近くて、見どころがある村として、紹介されたことから、当日の目的地、サンジミニャーノへ向かう途中に立ち寄りました。
↓村の入り口の糸杉の道です。

この村を紹介された際にオペラ歌手のアンドレア・ボチェッリの生誕地という説明を受けましたが、恥ずかしながら、アンドレア・ボッチェリのことは知りませんでした。イタリアのテノール歌手で、盲目のハンディキャップを抱えた世界最高峰のテノール歌手として知られた人物のようです。
↓街中色々なところで、アンドレア・ポチェッリの出演したオペラの公演模様の写真が見られます。

これも帰国後に知りましたが、アンドレア・ボチェッリの半生を描いた映画が「奇跡のテノール」というタイトルで2017年に公開されています。 先日Amazonで見ましたが、なかなか感動ものです。断片的にトスカーナの田舎風景も登場します。アンドレア・ボチェッリは知らなくても、ラストに流れる「Time to say goodbye」という曲は、誰でも耳にしたことがあるかと思います。1995年の歌曲『Con Te Partir』が原曲で、1996年にサラ・ブライトマンがデュエットを依頼し、歌詞の一部を英語に変更した曲が、Time to say goodbye になります。

https://www.youtube.com/watch?v=4L_yCwFD6Jo

この村を訪ねた時に認識していれば、更に楽しめたと後悔しています・
この村の見どころは、アンドレア・ボチェッリ生誕の地ということだけでなく、この村の建物に描かれた様々なアート作品にもあります。

↓映画博物館でしょうか?見たことのあるスターの写真がいっぱい。

さらに廃棄物を活用した芸術作品の展示も見られます。Hera GroupによるSCARTという産業加工廃棄物を彫刻、絵画、楽器、舞台衣装、セットなどの芸術作品に変える25年にも渡るプロジェクトとのこと。
↓青く敷き詰められているのは、ペットボトルです。

サン・ジャミニャーノに行く途中にちょっと立ち寄る予定でしたが、ここは結構楽しめます。訪れる観光客も少なく、落ち着いて村を散策できます。この村、お奨めです!

5.サン・ジミニャーノ(San Gimignano)

標高324mの丘の上にあり、中世には多くの塔が造られたことから「塔の街」と呼ばれる要塞都市です。10世紀以降北方民族の侵入からモデナの聖人ジミニャーノが町を守ったということから聖ジミニャーノ=サンジミニャーノと呼ばれるようになったと言われます。1990年に世界遺産に登録されています。

↓街の内部に入るとこんな感じです。まずは、レストランで昼食。イル・ピーノというレストランです。

サン・ジミニャーノといえばこのワインです。ェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノトスカーナで唯一の白ワインのD.O.C.Gとして知られています。

やや濃い目の黄色、黄金色、艶のある白ワインです。厚い果実味が感じられる香り。
実際に味わいにコクが感じられます。内陸のキャンティやブルネッロなど、力強いサンジョベーゼが中心のこの地にあって、清涼感と深みを感じさせる唯一ともいえる白ワインだと思います。

ホロホロ鳥のポルケッタといただきました。ポルチーニ茸が入っており、香り高く美味しいです。軽い白ワインでは負けそうですが、厚みのあるヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノとの相性はGoodです。

昼食後、ドゥオーモ広場に向かいます。↓ドゥオーモ内部。ロマネスク様式で、12世紀に建設された教会堂です。内部には、素晴らしいフレスコ画が数多く描かれています。↓ドゥオーモ広場に長い行列ができている店があります。世界チャンピオンのジェラート屋です。100m近い列でしたが、回転が速く、30分ほどで買えました。

塔の上に上ります。結構きつい階段に、最後ははしごを使って屋上に出ます。
サン。サン・ジミニャーノの街全体、トスカーナらしい田舎風景、オルチャ渓谷まで眼下に広がります。ここからの素晴らしい風景は一見の価値があります。

6.ピサ(Pisa

超有名な観光地ですからここの説明は不要かと思います。
すぐそばに公共駐車場があり、ここへのアプローチは意外にスムーズです。宿泊地(Selvatelle)と同じピサ県にありますので、1時間以内で行けますが、今回は、リグーリアのLe Spaziaに宿泊後、帰路に立ち寄りました。

7.ボルテッラ(Volterra)

ここも訪問前は、知らない都市でした。
歴史は古く、紀元前は、古代エトルリア文明が栄え、ローマ時代には、都市としての最盛期を迎え、中世でもシエナなど有力都市を結ぶ中継地として重要な役割を果たして都市のようです。
街の中心から少し離れたところにローマ劇場跡があります。

街歩きの前に、昼食です。上は、タコのサラダです。意外にタコ料理は、結構見かけます。↓余談ですが、後日トリノのレストランで食べたタコ料理。絶品でした。

昼食後は、ドゥオーモのある広場へ。右の建物は、在は市庁舎になっているプレオーリ宮です。

↓デイ・プリオーリ宮の内部です。美しい壁画が描かれています。エトルリア文明時代のアラバスター(大理石)彫刻やテラコッタの壺が展示されているミニ博物館があります。

屋上からは、サン・ジミニャーノほどのスケールではありませんが、トスカーナの美しい風景が広がります。

ボルテッラチェチーナとエーラという2つの渓谷に挟まれた台地に位置していますが、ここに向かう途中、至る所にトスカーナらしい丘の上に糸杉に囲われた家やオリーブ畑を見ることができます。

まさに想像していたトスカーナの田舎風景です!

トスカーナの7日間は以上ですが、今回、1つの大きな観光地をパスしました。フィレンツェと並ぶ有名なシエナです。当初は予定していたのですが、フィレンツェの混雑を目の当たりにしてちょっと気が引けたのと時間の関係です。歴史的な観光地より、ワインと風景を重視しました。その意味で、トスカーナを十分堪能したとは言えないかもしれませんが、シエナに限らず、ここには、まだ知らない魅力的な村が点在していることが判りました。ラヤーティコもその代表かもしれません。

非常に充実したトスカーナ訪問ではありましたが、最後にレンタカーが高速道路上で故障→レッカー移動というアクシデントに見舞われました。
大小、いろいろなトラブルに遭遇した今回の旅行ですが、目的はほぼ果たせたので、トラブルについては、色々と勉強になった前向きにとらえたいと考えています。
なによりも、思い描いていたトスカーナの自然と美味しいワインを堪能できたのは、最大の収穫だと思います。

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