アンヌ・グロのクロ・ヴージョ・グラン・クリュ・ル・グラン・モーペルテュイ、今が最高の飲み頃と思われる 2002年ヴィンテージです。何回か訪れている伊東のリゾートホテルの炭火会席料理と愉しみました。
▼伊東にある東急ハーヴェストクラブ伊東の炭火懐石レストラン「竹のうち」です。
今回こちら持ち込んだのは、ヴォーヌ・ロマネのグロ・ファミリーのひとり、アンヌ・グロのクロ・ヴージョ・グラン・クリュ・ル・グラン・モーペルテュイ、ヴィンテージは、熟成のピークを迎えている(と思われる)2002年です。
アンヌ・グロのクロ・ヴージョは、この1年半で、1998年、2005年(→こちら)と2009年(→こちら) の3ヴィンテージを飲みました。特に1998年は非常に印象的だったこともあり、オールドヴィンテージを探していたところ、半年ほど前に幸運にも平行輸入ものを比較的安く入手できました。
▼約50haを80近くの所有者で分け合うクロ・ヴージョの畑です。玉石混交のグラン・クリュといわれますが、アンヌ・グロが所有するのは、ル・グラン・モーペルテュイと呼ばれる上部の評価の高い区画です。ちなみに道路を挟んで西隣はグラン・エシェゾーになります。
以下、インプレッションです。
うっとりするような艶のあるルビーレッド。中心から縁に行くに従いオレンジ色のグラデーションが美しい。念のためデキャンタをお願いしていたこともあり、最初から華やかな香りが全開。粘性はやや高く、グラスには長いレッグ(下の写真)が見られます。ラズベリーやチェリーの赤系果実やドライフルーツ、薔薇や牡丹の赤い花の華やかなアロマに、黒胡椒やドライハーブ、シナモン、リコリス、バニラ、さらに熟成からの紅茶やキノコの香りが混ざり、綺麗に熟成したブルゴーニュワインが醸し出せる素晴らしい香りです。アタックに感じる酸は柔らかく、タンニンはあくまでシルキー。綺麗な酸は、中盤からアフターまで伸びやかに続き、華やかな香水のような香りと共に長い余韻を残します。
(4.3)
この炭火懐石レストランのメニューは一種類で、先付けに、お造り、椀物があって、炭火魚料理、炭火肉料理と続きますが、魚料理と肉料理は、魚の種類とに肉の種類が選べます(食材によっては追加料金あり)。
▼この日の先付けです。鯵フライ、柴漬けタルタルソース、粟麩田楽、ズッキーニのお浸し、レンズ豆と潮鰹のサラダ仕立て、新玉葱のブルーテ
▼お造り(伊豆半島沖のさかな達)
▼海老芋饅頭 美味出汁飴
▼魚料理は、めかじきのソテー。バターとクリーミーなソースが、このブル赤の柔らかい酸と樽香によく合います。
▼肉料理は、炭火サーロインステーキ。シークワーサー胡椒、かんづり(新潟妙高の香辛調味料です)、山葵と。濃いソースとこの熟成ブルゴーニュは難しいと思いますが、炭火焼きの香ばし素のサーロインステーキと絶妙な相性です。薬味としては、シークワ―サ胡椒が面白いです。
▼デザートは、地元名産のニューサマーオレンジのクレープジュゼット。
今回もここの素晴らしい炭火会席と愉しむことができました。アンヌ・グロのグランクリュですが、若いうちは、やや硬く感じますが、15年~20年で本領を発揮するように思います。1998年のクロ・ヴージョも素晴らしかったですが、この2002年も、綺麗に熟成した最高のワインでした。クロ・ヴージョらしい骨格感よりも、ヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュ的な華やかさを感じられるワインでした。
<了>