D.O.リベイラ・サクラの生産者アデガス・ギマロによるメンシア主体のスタンダードキュヴェ、ギマロ・ティント [2018] です。かなり久しぶりですが、ラウル・ペレスのウルトレイアと共にメンシアに嵌ったきっかけのワインです。
D.O.リベイラ・サクラは1996年に認定されたD.O.です。リベイラ・サクラは、「聖なる川岸」という意味を持ち、ミーニョ川と西に流れるシル川の流域に沿って細長く延びた内陸の産地です。赤はメンシア、白はゴデーリョが主要品種で、外来品種は認定されていません。
ギマロ・ティント [2018] アデガス・ギマロ
Guimaro Tinto 2018 Adegas Guimaro
以下インポータのテクニカルデータです。
樹齢30~40年のぶどうを手摘みで収穫後、区画ごとにタンクに分けられコールドマセレーションを5~7日間行います。そのままステンレスタンクにて自然発酵。続いてプレスし、マロラクティック発酵を行った後、シュール・リー、バトナージュせずに4~8か月熟成されます。区画ごとにわけられたタンクの状況に応じて作業を行います。全く手を加えない場合もあります。全房で醸造するタンクもあります。その後均質になるようにブレンドします。
このワインは、メンシア100%ではなく、メンシア主体(85%)でその他(15%)土着品種がブレンドされています。
やや黒みがかった濃いめのラズべリーレッド。抜栓後の香りはやや控えめ。ダークチェリーやブラベリー等、カシスほどではないがやや黒系寄りの果実の香り。ドライハーブやリコリス等の複雑な香りが混ざるが、未だ若い為か香りの要素はそれほど多いわけではなくシンプルのエレガントな香りのワイン。優しい甘みをともなうアタック。酸味は柔らかいが弱くはない。タンニンは滑らか円やか。余韻は中程度。
(3.4)
このワイン、かつて漫画「神の雫」にも取り上げられています。
「すらりとしたエレガントな酸とふくよかな香り なんというかー ちょいと浅黒いハツラツとした若い女性みたいなー そうなでしこジャパンにいてほしい美人アスリートっていうか・・・」
まあ、2012年なので、ワールドカップでのなでしこ優勝後、間もない時期の掲載だったようです。
一言でいえば、何かの要素の突出がない、エレガントなワインという印象です。
一緒に飲んだ妻からは、えらく好評なワインでした。
メンシアのワイン、最初に飲んだラウル・ペレスのウルトレイア以来、色々と飲んでいますが(→こちら)、確かにスペインのワインらしからぬ(?)エレガントな印象のワインで、ピノ・ノワール好きにとっては、(冷涼な産地のエレガントなグルナッシュを知るまでは)こんなワインがスペインにあったんだと感動したことを覚えています。
ただ、結構バラつきもあり、やや酸が弱いイメージが時々みられます。もっとも、全てに当てはまるわけではなく、この品種はテロワールによって味わいが結構変わってくるような気がしています。前述のラウル・ペレスのウルトレイアは結構酸もしっかりしており、割と力強さを感じるワインです。このワインも酸の弱さが際立っている訳ではありません。
いずれにせよブルゴーニュ赤好きにとっては、今後も追いかけていきたいワインだと思います。
了