Bon Vin , Bon Sake , Bon Fromage

ブルゴーニュワインとチーズをこよなく愛するシニアのブログです。素晴らしいお酒とチーズの出会いを中心に日常を綴ります。

さよならグランデコ東急/プリューレ・ロック&エティエンヌ・ソゼ

毎年、年に1回は訪れていたお気に入りのリゾートホテル、福島県 裏磐梯のホテルグランデコ東急が、2023年3末をもって、東急不動産から中国系企業に売却されました。20年近くに渡って、ほぼ毎年、少なくとも年に1度は利用していたリゾートホテルなので、非常に残念です。3月初旬、このホテルでの”最後の晩餐”です。

1992年開業の東急グループのスキーリゾート、グランデコスノーリゾートの(東急不動産からの)撤退が発表されたのが、昨年2022年の7月でした。経営方針上の理由かと思いますが、コロナの影響や東日本大震災の影響(風評被害が未だに続いているのか、他のスキーエリアに比べて外国人客が少ないように思います)もあったかと思います。
ロングコースと春先まで楽しめるスキー場と隣接するリゾートホテルとの魅力から、毎冬、そしてスキーシーズンだけでなく、新緑の季節や夏にも訪れていました。

ホテルは派手さはないものの、落ち着いた雰囲気と気持ち良い露天風呂を備えた温泉が魅力的でした。また、音楽イベントにも力を入れており、1994年から2019年まで、ホテルのサロンを利用したコンサートが開催されていました。大浴場に向かう通路にこのコンサートのポスターが掲示されています。山下洋輔前田憲男といった日本を代表するジャズピアニストも招かれていたようです。

東日本大震災のあった2011年も9月に開催されていました。

残念ながら、このサロンコンサートの時期に訪れることはありませんでしたが、サロンでは、しばしば生演奏会が開催されていました。
↓昨年の12月に訪れた時の模様です。クラッシック生演奏会に合わせたワルツ鑑賞。

↓翌日は、東京パイプバンドによるバグパイプの演奏を楽しめました。

まさに自然に囲まれた大人のリゾートホテルという感じのお気に入りの場所でした。

今回もスキー目的で訪れましたが、天候にも恵まれ、ゲレンデからは磐梯山(1816m)の荘厳な姿を楽しめました。

ホテルグランデコ東急としての最後の晩餐は、ホテルのダイニングルーム・クレールで、フレンチのコース料理を持ち込みのワインと愉しみました。

↓お気に入りのプリューレ・ロックのヴォーヌ・ロマネ・レ・スショの2005年とエティエンヌ・ソゼのピュリニー・モンラッシェ・ラ・ガレンヌの2015年です。

アミューズは、なんと、あん肝です。
正直、ホタルイカとこれに合うワインは、存在しないと思っています(笑)

真鯛のブランタード バードブリック ビーツのピュレ
ブランタードは南仏料理、バードブリックは、薄皮の春巻きといった感じです。

エティエンヌ・ソゼ(Etienne Sauzet)のピュリニー・モンラッシュ・プルミエ・クリュ・ラ・ガレンヌ(La Garenne)の2015年です。
エティエンヌ・ソゼは、ドメーヌ・ルフレーヴと双璧を成すピュリニー・モンラッシェの名手ですが、投機対象的になってしまったルフレーヴほどではありませんが、ちょっと手を出しにくい価格になってしまっています。このワインは、2018年に13K円ほどで購入していますが、最新のヴィンテージは30K円ほどの価格になっています。

輝きのあるクリームイエロー、というよりライトゴールド。
完熟した柑橘系果実や青リンゴの香り、石灰からの強いミネラルと樽からのバニラ香。アタックにテンションの高さを感じる酸、2015年らしい豊かな果実味が広がりますが、基本的にはドライな印象。余韻には柑橘果実の皮の苦みが広がります。時間が経つと果実からの甘みが徐々に顕れ、バタースコッチとまではいきませんが、円やかな風味に。

ピュリニーらしいシャープな酸とミネラルに豊かな果実味の両方を兼ね備える素晴らしい1本でした。

(3.8)

会津地鶏のクネル 滑らかポルチーニ茸のヴルーテ トリュフの香り
スープですが、コースの中で一番おいしかった一品です。

スキャンピー(手長エビ)のレタス包み シードル風味のソース

赤は、プリューレ・ロックのヴォーヌ・ロマネ・レ・スショの2005年です。
このワイン、3年半ほど前にも家のみで飲んでいます(→こちら

熟成によりやや淡くなっていますが、未だ中心に深みを残すラズベリーレッド。
ブルーベリーやアメリカンチェリーの赤黒系果実の華やかな香りに、ミントの冷涼感、シナモンやリコリスの甘苦スパイスと八角や桂皮といったオリエンタルスパイスが混ざる複雑な香り。

(4.0)

味わいはよく熟した果実味と豊かな酸を感じますが、タンニンがまだしっかり残ります。前回3年半前に飲んだ時もやはりタンニンがやや強めで、少し硬い印象でしたが、やや滑らかになっているものの未だタイトさが残るタンニンです。暑い年だった2005年のブルゴーニュは、やや過熟気味の甘さを感じるワインも多いのですが、このワインはちょっと違うようです。
ただ、熟成させたヴォーヌ・ロマネらしい、香水のような華やかで複雑な香りには圧倒されます。まさに、香りだけで言えば、まさに桃源郷です。欲を言えば、あと5年寝かせたかったです。このワイン、リリース時に3本買いましたが、残念ながら、これが最後の1本でした。
ちなみに、このレ・スショの当時の購入価格は、14K~16K円でした。当時、プリューレ・ロックの1級は、1万円前後で買えたので、結構高いと感じましたが、評価が非常に高かったこともあり、無理して複数本購入していました。ちなみに、今は13万円!を超えているようです。
創業者でDRCの共同経営者でもあったアンリ・フレデリック・ロックは、2018年に亡くなっていますが、その後、投機対象のワインになってしまったようです。

↓国産牛フィレ肉のソテー。マディラソースです。

↓デザートのビスキュイショコラとフランボワーズのソルベ

今回のホテルグランデコ東急は、3月末で閉鎖され、7月に「EN RESORT Grandeco」というホテルでリブランドオープンすることが発表されています。
EN RESORT Grandeco Hotel

リブランドとともに、ワインを毎回持ち込ませてもらったこのフレンチレストランはなくなり、和食レストランとバイキングのみになるようです。
どんなホテルになるのか分かりませんが、オーナーが変わってもこのリゾートホテルのもつ落ち着いた雰囲気は残してもらいたいと願います。

楽天市場でプリューレ・ロックのワインを探す

楽天市場でエティエンヌ・ソゼのワインを探す