若手ミクロ・ネゴシアンとして評価の高いバンジャマン・ルルーのジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ・レ・シャンポーの2011年ヴィンテージです。豊かな果実味と複雑さ、適度な熟成感を兼ね備えた1本でした。
1975年生まれのバンジャマン・ルルーは、2007年より自身のネゴシアンを立ち上げていますが、大規模・多銘柄生産のネゴシアンとは異なり、小規模ながら、優れた区画・生産者のブドウを購入し、自ら醸造に加わる「ミクロ・ネゴシアン」として、そのワインは、最近は高い名声を得ています。
バンジャマン・ルルー ジュヴレ・シャンベルタン 1級 レ・シャンポー 2011年
[2011] Benjamin Leroux Gevery Chambertin 1erCru Les Champeaux
レ・シャンポーの畑は、ジュヴレ・シャンベルタンの1級畑の中では、一番、北に位置し、ブロションの村に隣接しています。コンボ・オー・モワンヌ等の優良な1級畑に接しています。
少しレンガ色が混ざる深みのあるラズベリーレッド。赤黒ベリー香に加えて、良く熟したアメリカンチェリーの香り。強すぎないロースト香。ドライハーブ、八角、甘草、黒胡椒のスパイスと鉄っぽさ。綺麗な酸とミネラル。タンニンはわずかに収斂性を残すがそれほど気にならない。2日に渡って飲んだが、2日目は、腐葉土とわずかにシガーの香りも。
(3.7)
▼ステーキの脂と適度なスパイシー感が感じられるジュヴレ・シャンベルタンの相性は悪くありません。
今回のレ・シャンポーのワイン、ラヴォー渓谷に広がるクロ・サン・ジャックやラヴォー・サンジャックに比べて、それほど強い骨格は感じませんが、鉄っぽさとスパイシー感は、まさにジュヴレ・ジャンベルタンのプルミエ・クリュのワインを感じさせてくれます。特徴的なのは、豊かな果実味。2011年ということで、ヴィンテージ的にはあまり期待していませんでしたが、完熟したベリーやチェリーを感じることができました。
ちなみに、同じミクロ・ネゴシアンとしてカリスマ的な人気を持つオリヴィエ・バーンスタインもこの畑のワインを産出しています。2015年をなんとか購入することができましたが、価格的には3万円近いことを考えると、当時の価格とはいえ、1万円を切る値段で買えたバンジャマン・ルルーはかなりお買い得といえるワインだと思います。
少し前に飲んだ同じ2011年のクロ・ド・ラ・ロッシュ(→こちら)に比べても、非常に外交的なワインという印象です。ここの村名以上をそれほど飲んでいる訳ではありませんが、自身で飲んだ範囲では、テロワールの特徴をとても上手く表現している造り手という印象を持っています。
<了>